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Sunday, May 3, 2020

福島医大・前田正治教授に聞く 心の健康...家族と離れる時間を - 福島民友

 新型コロナウイルスの感染拡大で懸念される心の健康上の問題について、福島医大災害こころの医学講座の前田正治教授(60)=災害精神医学=に聞いた。前田氏は、学校も休校となり、家族全員が自宅で過ごす時間が増えたことで、特に女性の心身の負担が増えるケースを危惧。「家族と少し離れる時間もつくってほしい」と警鐘を鳴らす。

 ―心の健康の観点から現状をどう見るか。
 「新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、人との接触を避けることが求められている。一方で、人を避けて引きこもり続けることはメンタルヘルス上は良くない行為で、われわれ精神科医は従来『引きこもるな』と言ってきた。たとえ健康な人であっても、長く引きこもれば精神的に不安定になってしまうだろう」

 「今、学校も休みになっている。自宅という限られた空間の中に家族全員がずっと閉じこもって過ごさなければならないというのは、精神的に良い状態とはいえない。特に女性は心配だ。家族が家にこもっていると、家事や育児を担っていることが多い女性の負担が増えてしまう。虐待やドメスティックバイオレンス(DV)の増加も懸念されている。大事なことは家族と少し離れる時間をつくることだ。人との接触を避けた上で散歩などをしてほしい」

 「9年前の東京電力福島第1原発事故でも、子どもたちが家に閉じこもることを余儀なくされた。放射線の健康影響に対する不安がその理由だったが、その後、子どもたちの運動不足や肥満が問題となった。新型コロナウイルスへの対応は長期間続くことが想定され、私たちは感染症以外の病気にも気を付ける必要がある」

 感染と同じくらいに『偏見』は人を苦しめる

 ―感染した人が抱える心の問題について。
 「感染者に対する偏見は非常に大きな問題になっている。人々が抱いているのは感染そのものに対する恐怖だけではない。多くの人が感染したと見なされることへの恐怖も感じている。偏見は、感染と同じくらいその人を苦しめるということを知ってほしい」

 ―感染者に対応する看護師など過酷な状況に置かれている人への支援の在り方は。
 「災害時、支援者には強いストレスがかかる。看護師や行政のスタッフへのメンタルサポートはこれからの課題だ」
 「支援者の中でも、感染者に対応する医師や看護師らは、最前線で自ら感染してしまうかもしれないリスクにさらされながら感染症と闘っている。それにもかかわらず、周囲から冷ややかな目で見られることがある。これはとてもつらいことであり、そのまま職場を離れてしまうケースもあるかもしれない。医療従事者に敬意を払い『ありがとう』と気持ちを伝える動きが広がってほしい」

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