実は元人間? 正体を知って倒しづらくなった魔王たち
大半の『ドラクエ』シリーズは、魔王と呼ばれる存在を倒し、世界に平和を取り戻すというのが目的です。そんな悪の権化として描かれている魔王のなかには、元は人間だったと噂されているキャラが存在することをご存知でしょうか。
最大の敵だと思っていた相手が、実は何らかの事情で闇に落ちた人間だったと思うと、倒すのに躊躇してしまうかも。今回はそんな悲しい過去を持つ魔王を紹介します。
最初に紹介するのが、『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』に登場する大魔王ゾーマです。『ドラクエ』をプレイしたことがない人でも、名前くらいは聞いたことがあるのではないでしょうか。
ゾーマに関しては、ゲーム中に人間だったという描写はありませんが、マンガ『ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 ~紋章を継ぐ者達へ~』のなかで、ゾーマが人間から魔王になり果てるまでの過程が、とても悲劇的に描かれています。
かつて人間だった頃のゾーマは勇者とともに、精霊ルビスのために戦っていました。ゾーマはルビスに恋心を抱くものの、その想いはルビスに受け入れてもらうことはできませんでした。
ゾーマは、ルビスからの慈悲や期待を一身に受ける勇者アルトに対して嫉妬心を抱きます。やがて嫉妬に狂ったゾーマは、破壊神シドーとの戦いが終わりを迎えた直後、なんと勇者アルトを背後から刺し殺すという暴挙に及びました。
こうして悪の道に進んでしまったゾーマは己の力を強めるため「暗闇のオーブ」を追い求め、ついには大魔王となって人間を恐怖の渦に飲み込みます。もともとは人間であり、勇者の仲間だったゾーマが大魔王になる過程には、切ない愛憎劇が隠されていたのです。
なお『ロトの紋章』は堀井雄二氏が監修しているマンガ作品ではありますが、独自解釈や設定が含まれています。オリジナルであるゲームと同じ設定とは限らないので、その点はご了承ください。
続いて『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』のラスボスであるミルドラースは、リメイク版のゲーム内に元は人間だったと解釈できる描写がありました。
アンクルホーンがくれる「きんだんのまきもの」には、ひとりの人間が魔物に変わっていく様子が描かれています。その人物こそ、魔界の王・ミルドラース。アンクルホーンは、人だった頃のミルドラースは「神になりたかった」と説明しています。
しかし、ミルドラースは心の邪悪さゆえに魔物になってしまい、神の不興を買ってしまった結果、魔界に封印されたことが明かされています。
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