ゲームクリエイターの中裕司氏は、自身がディレクターを務めたアクションゲーム「バランワンダーワールド」について、本日4月28日、自身のTwitterで発売の半年前にディレクターを解任されていただけでなく、同件について発売元のスクウェア・エニックスに対して訴訟を提起したことを明らかにした。
「バランワンダーワールド」は、2021年3月26日に発売されたアクションゲーム。アクションゲームの名手であるスクウェア・エニックスと、「ソニック」シリーズの生みの親として知られる中裕司氏がタッグを組み、PS5/PS4、Xbox Series X、Xbox One、Nintendo Switchと多くのプラットフォームで発売されたが、多くの不具合が残されたまま発売されたり、体験版が途中で非公開になるなど、不自然な点が多かった。海外のレビューサイトmetacriticの評価は36と、2021年でも指折りの酷評を受けたタイトルとして知られる。
中裕司氏は、Twitterを連投する形で経緯を説明。中氏によれば、発売元のスクウェア・エニックスや、開発を担当したアーゼストとの間で、承服しがたいトラブルが発生していたことを報告。それらのトラブルがきっかけとなってディレクターを解任され、その結果、同作が未完成のまま発売され、酷評を受けることになったとしている。
中氏は自身の代表作である「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」を引き合いに、同シリーズお馴染みの仕様である「リングが1枚でも持っていたら死なない仕様」は、マスターアップの2週間前に変更されたものであり、開発途中で解任されたことで発売ギリギリまでゲームを良くすることができなかったことについて無念さをあらわにしている。
ゲームファンに対しては「私としては未完成のバランワンダーワールドを買って頂いたお客様には本当に申し訳ないと思っています。今後はSNS等で、私のみにメンションやタグ付け等をして頂いた場合には反応が出来る事もあるかと思います。」とコメントしており、ゲームファンとの対話に応じていく姿勢を明らかにしている。
中氏は「スクウェア・エニックスとアーゼストはゲームとゲームファンを大事にしない会社」と明言、全面対決の姿勢を明確にしている。この件について、スクウェア・エニックスがどのような動きを見せるのか注目されるところだ。
バランワンダーワールド発売の約半年前にバランワンダーワールドのディレクターから外される業務命令が出されましたので、スクウェアエニックスに対して裁判所で訴訟を提起していました。裁判が終わり業務命令が現時点で効力は失われていると言う事ですので、お話したいと思います。#BalanWonderworldpic.twitter.com/9KE7hLqfor
— Yuji Naka / 中 裕司 (@nakayuji)April 28, 2022
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