宇宙航空研究開発機構(JAXA)は15日、令和4年度中に打ち上げ予定の月面着陸機「SLIM」(スリム)と観測などの計画概要を発表した。月面の狙った場所にピンポイントで着陸する技術の確立を目指し、将来の月や火星の探査に生かす。打ち上げから4~6カ月後の着陸を予定。月面を独立して移動する2台の小型ロボットを搭載する。月面着陸を果たした日本の探査機はまだない。
スリムは、高さ約2・4メートル、縦約1・7メートル、横約2・7メートルで、本体の重さは200キロ。月探査機の着陸精度はこれまで1キロ以上の誤差があったが、約100メートル以内に抑えるという。
計画によると、搭載するカメラの映像から、高精度に自身の位置を推定し、目標地点に接近。大きな岩などの障害物を探知し、自律的に軌道修正しながら安全な地点を選んで着陸する。成功すれば、国際協力による将来の月や火星の探査に成果が生かせると期待されている。
着陸の目標地点は、月低緯度の平原「神酒(みき)の海」にあるクレーター近くの傾斜地。神酒の海には月内部にあった石が露出しており、カメラによる観測で分析することで月の起源や歴史の理解に役立つという。
また、スリムは高さ26センチの「LEV―1」と、直径約8センチの球状の「LEV―2」という小型ロボットを搭載。2台は着陸直前に分離され、月面を自動で移動しながらスリムの着陸状態や周辺環境を撮影する。
日本の探査機の月面着陸をめぐっては、超小型探査機「オモテナシ」が近く、米航空宇宙局(NASA)の次世代宇宙船「オリオン」の無人試験飛行に合わせて打ち上げられる予定。
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■日本の月探査 平成19年に打ち上げられた月周回衛星「かぐや」が、高精度な月面画像データを大量に取得。月面着陸機「SLIM」(スリム)はそのデータを応用して月面にピンポイントで着陸する技術の確立を目指している。宇宙航空研究開発機構(JAXA)などが手掛ける超小型探査機「オモテナシ」も日本初の月面着陸に向けて近く打ち上げ予定。
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