自作ノートパソコンの夢よ。
サンフランシスコを拠点とするスタートアップのFrameworkは、現在市場に出回っている他のラップトップとは異なる、薄型軽量で生産性の高いノートパソコンを発表しました。他社のノートパソコンメーカーが販売しているアルミニウムデザインの製品に似ていますが、実はアップグレードやカスタマイズ、および修理が可能なんです。
4つの拡張ポートでカスタマイズが可能
Frameworkのラップトップには4つのスワップ可能なポートベイがあり、これを拡張カードシステムと呼んでいます。デフォルトではUSB-Cカードが用意され、USB 4や20V/5A充電、モニタ接続用のDisplayPort Alt Modeがサポートされています。そしてUSB 3.2 Gen 2をサポートするUSB-Aカードや、HDMI 2.0をサポートするHMDIカード、DisplayPort 1.4をサポートするDisplayPortカード、MicroSDカードスロットカード、外付けドライブのように機能する250GB/1TBのストレージカードが提供されます。同社は、ヘッドフォンやマイクロコントローラなどのために、より多くの拡張カードを開発しています。
このシステムでは必要ポートの種類だけでなく、装着する場所も選択できます。このため、外付けマウスのケーブルが邪魔にならないように左側に充電ポートやHDMIポートを装着することもできます(左利きのマウスユーザーの方にも朗報でしょう!)。
メインボードの入れ替えで最新モデルにすることもできる!
ラップトップの本体はすべてがカスタマイズ可能です。Frameworkによれば、今後新しいプロセッサを搭載した新モデルを発売する際には、メインボード全体を入れ替えてパフォーマンスを向上させることができるそう。またバッテリー、ディスプレイ、キーボードも完全に交換可能で、ユーザーはキーボードの言語やレイアウトを交換したり、 取り外し可能な磁気ベゼルの色をカスタマイズしたりできます。
なお製品はあらかじめ組み立てられているか、あるいはDIYを楽しむ人のためにパーツ状態で購入することも可能です。
The Vergeによると、元のOculusの従業員の一人であり、以前はApple(アップル)でも働いていたFrameworkの創設者Nirav Patel(ニラブ・パテル)氏は、ラップトップの購入者がデバイス内のコンポーネント(部品)を交換できるようにすることによって、電子廃棄物の問題に対処することを望んでいるとしています。
「家電メーカーのビジネスモデルは、何トンものハードウェアを量産し、それをチャネルや市場、消費者の手に押し込んで、それを廃棄してそのままにしていました」と、Patel氏はThe Vergeに語っています。「それは廃棄物や非効率性を助長し、最終的には環境破壊を招くのです」。
Frameworkはまた、購入者が直接修理する権利も与えます。交換が容易なパーツのエコシステムを維持することで、問題が発生した場合にノートパソコン全体を交換したり、RAMスティックを交換するためだけにノートパソコンを製造元に返送したりする必要がなくなります(RAMをマザーボードにはんだ付けすることを好む会社もあるようですが…)。
パーツ交換ができるモジュラー式デバイスに挑んだメーカー
Frameworkは、モジュラー ラップトップまたはミニ デスクトップ デザインのいくつかのフォームを試みる最初の会社ではありません。私たちは以前にIntel(インテル)のNUC 9 Extreme Kitをレビューし、また同社はPhantom Canyon NUC 11シリーズを先月のCESでひっそりとローンチしました。。AlienwareもArea-51m R2とスワップ可能なコンポーネントという大きな夢を持っていましたが、アップグレード用のNvidia RTX Super GPUが利用できないため、購入者の期待に応えられませんでした。Google(グーグル)はモジュール式のスマートフォン 「Project Ara」の計画がありましたが、結局それは廃棄されました。
しかしFrameworkは、モジュラー型ラップトップを開発した最初の企業になる可能性があるようです。インテルの第11世代Tiger Lakeモバイルプロセッサの登場により、CPUとGPUの両方がシステムオンチップ(SoC)フォームファクタに搭載されているのです。また、スワップ可能なポートというスマートなデザインもあり、このラップトップはカスタマイズが必要なユーザーにとって魅力的なオプションとなっています。
Frameworkは2021年夏にカスタマイズ可能なラップトップの出荷を開始する予定です。同社のウェブサイトから登録すれば、注文が可能になったときにメールで通知を受けることもできます。
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