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Thursday, September 24, 2020

【新刊紹介】酒を健康的に飲む:栗原毅著『酒好き肝臓専門医が教える カラダにいい飲み方』(nippon.com) - Yahoo!ニュース

斉藤 勝久

コロナ禍で「宅飲み」やオンライン飲み会など新しい飲み方も増えたため、飲み過ぎる人が少なくない。本書はタイトル通り、酒好きの肝臓専門医が健康的な飲み方を説いている。酒とつまみ選び、飲む量、飲食の順番など、実に参考になる。

飲んだアルコールを体内で分解・吸収するのが、「沈黙の臓器」と呼ばれる肝臓。肝細胞は約3000億個もあり、少しの重労働なら耐えられるが、重労働が10年も20年も続くと、我慢強い肝臓も音を上げてしまう。健康的な飲み方とは、肝臓に負担をかけない飲み方だ。 著者は「肝臓に優しく、お酒を楽しむための10カ条」を提唱する。第1条は「居酒屋に行く前に何かを食べる」。空きっ腹にビールを流し込むと、炭酸が胃を刺激して一気にビールが小腸に送られ、腸がアルコールを吸収して血中アルコール濃度が急上昇してしまう。飲む前に、牛乳やヨーグルトなど乳製品、カカオ分が高いチョコレートがお薦めだ。 第4条「とりあえず(メニュー)はポテサラよりトリカラ」。アルコールの分解と、糖の代謝は同じ肝臓が行っているので、肝臓をアルコール処理に専念させるため、糖質の多いポテトや焼きそば、おにぎりなどのメニューは控えめに。 鳥のから揚げなど、揚げ物はよくないと思われがちだが、「油脂自体は肝臓に悪影響も与えないうえ、アルコールの吸収を遅くしてくれる」。ただし、油脂はカロリーが高いので、食べ過ぎてはいけない。 第10条「純アルコール量は週単位で管理」。酒から摂取したアルコール量は、1日20~40グラムが最も健康に良いとされる。ビール中瓶や、日本酒1合がアルコール量20グラムだ。著者は「1日単位ではなく、1週間単位で管理すること。つまり、1週間の純アルコール量を140~280グラムに納めること」を薦める。いっぱい飲んだら、残る6日間は抑えて、1週間の許容範囲に収めるようにすべきだ。 女性は男性に比べて体が小さいので、「肝臓も小さく、男性よりアルコールの処理能力に劣る。また、体脂肪が多い分だけ保有する水分が少ないため、血中アルコール濃度が高くなる傾向がある」。だから、摂取アルコール量も男性の8割くらいが目安という。アルコール量を管理するアプリがあり、計算にも便利だ。

【Profile】

斉藤 勝久 SAITO Katsuhisa ジャーナリスト。1951年東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。読売新聞社の社会部で司法を担当したほか、86年から89年まで宮内庁担当として「昭和の最後の日」や平成への代替わりを取材。医療部にも在籍。2016年夏からフリーに。ニッポンドットコムで18年5月から「スパイ・ゾルゲ」の連載6回。同年9月から皇室の「2回のお代替わりを見つめて」を長期連載。主に近現代史の取材・執筆を続けている。

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September 19, 2020 at 08:07AM
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