2018年の出展でアジア企業として初めて「ミラノサローネ・アワード」を受賞した〈サンワカンパニー〉。今年は出展会場を新たに、空間提案に力をいれたキッチンを発表する。デザイナーの一組として出展するのは、サポーズデザインオフィスだ。
住宅設備機器や建築資材をインターネット販売する〈サンワカンパニー〉は2015年よりミラノサローネに参加をはじめ、2016年からはキッチンに特化した隔年開催の〈ユーロクチーナ〉に出展している。2018年には世界的に狭小化する住空間への新たな提案として8つのコンパクトキッチンを発表し、アジア企業として初めて「ミラノサローネ・アワード」を受賞するに至った。
そんな〈サンワカンパニー〉は今年、2019年に登場した新たなホール〈S.Project〉に出展する。3組のデザイナーを招いて発表する展示テーマは「Diverse Life With Compact」。多様化するライフスタイルに向けてコンパクトキッチンを提案するのは、建築家・アートディレクターのキッコ・ベステッティ、デザイナーのクリスチャン・ハース、そして谷尻誠と吉田愛が率いる設計事務所、サポーズデザインオフィスだ。
サポーズデザインオフィスはこれまで、数回にわたってミラノデザインウィークに出展する企業のインスタレーションなどを手掛けてきた。その出展を通じて海外メディアに注目され、国外のクライアントも増えてきたところだと谷尻は言う。
「出展のたびにミラノはデザインが根付いた街だと実感します。デザインが文化として根付いているから、子どもやお年寄りまで幅広く見てくれるし、僕たちのコンセプトをじっくり聞いてくれます。そうした体験は、あらためて僕らのテーマである“デザインをどれだけ伝えられるか”を考えるきっかけも与えてくれるものなんです」
「狭小空間のためのコンパクトキッチンというと、機能に特化した提案になりがちではないですか?」と吉田は切り出す。
「私たちはいつも形から発想するのではなく、行為から発想することを大切にしています。今回もキッチンそのものを考えるのではなく、あらためてキッチンのある空間の価値を考えることから始めました。たとえば住宅とオフィスにあるキッチン、これらはなんとなく住宅用、オフィス用とひと目でわかることが多いですよね。場所に定義される設えを排除し、もっと自由に空間を利用できるキッチンを提案したいんです。さらにいえば……いま私たちはキッチンではなく水を使う場所としてアイデアを考えています」
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February 27, 2020 at 10:15PM
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サポーズデザインオフィスが考える自由なキッチンとは。 - カーサ ブルータス
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