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Sunday, January 14, 2024

ICT雑感:「我が家にスマートテレビがやって来た」 | InfoComニューズレター - InfoCom

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(出典:いらすとや)

(出典:いらすとや)

我が家のテレビは購入してからもう10年以上経っていて、画質がイマイチ、ネット動画や4K放送が見られない、(HDMI端子が少なくて)ゲーム機をつなげられない、など問題を抱えていました。これらの課題を解決することがずっと懸案になっていたのですが、この12月からNHKのBSチャンネルが新BSとBS4Kの2波に再編されるということで、それで4Kが見られないとさすがにちょっと辛いよね、ちょうど良いタイミングだろうと家族に話し、遅まきながら4Kテレビを購入しました。画面の大きさも、今までの37型から50型と面積比で1.8倍以上となり、我が家の狭いリビングでの存在感も圧倒的です。

量販店での購入の際に各種ラインナップを見ると、性能や価格もさまざまで、単に4Kが見られて画面がそこそこ大きければよいのなら安価な製品もあったのですが、「スポーツ中継など動きの速い絵を滑らかに見せるのは、上位機種ですよ」との店員さんのおすすめもあり、馬の駆けっこの観戦を週末の楽しみとしている私としては、このアドバイスに乗って少し上のクラスを選びました。

買い替えに当たり、ネット配信の動画をタブレットで見ていたのを、大きな画面で見たいというのが、昨年Netflixに加入して以降、これを最大限活用していた妻の要望でした。最近のいわゆるスマートテレビは、こうしたネット経由の動画サービスを大画面で視聴できることは知識としては知っていましたが、実際に部屋に据え付けてリモコンを操作してみると、ボタン一つでこれらのサービスにアクセスできて大変便利なことを実感しました(NHKプラスについては、リモコンにボタンがなく、アプリをインストールしなければならない手間がありましたが……)。

テレビの画面とリモコンのボタンはこんな感じです。

テレビの画面とリモコンのボタンはこんな感じです。
(出典:筆者撮影)

ネット機能が備わったテレビになったことで、夕食時などに視聴するコンテンツも若干変わってきています。今までは、レコーダーに録り貯めた番組の中から観たい気分のものを選んでいた(もともと我が家ではリアルタイム視聴はあまりしていなかった)のですが、ネトフリなどのコンテンツも含めて面白そうなものを選択するように変わりつつあります。

メディア利用に関する各種の調査では、

  • メディアの利用時間は、この10年、あるいは十数年の間に、テレビ、新聞、雑誌が激減する一方で、スマホやタブレットの利用が急増し、
  • スマートテレビ、あるいはストリーミングデバイスによるテレビのネット接続が一般的となり、
  • テレビ画面で何を見るかについても、リアルタイム視聴が減少するとともに、録画、ネット配信の動画、ゲームなど、若年層を中心に急速に多様化しており、時間帯では特に夜間にその傾向が顕著である

などの結果が出ています。米国在住の有識者から、「日本ではまだチャンネルという概念があるようだが、米国では既にそういう感覚がなくなり、テレビ局の放映はコンテンツの一形態に過ぎなくなっている」との話を聞いたことがありますが、日本も間もなくそうした状況になるのでしょう。我が家も今回のテレビ購入によって、やっと世の中の流れに追いついたかな、という感じです。

(出典:いらすとや)

(出典:いらすとや)

そのように我が家の視聴行動が変容しつつある中で、娘が「『トップガン マーヴェリック』を観たい」とリクエストを出してきました。言うまでもなく、80年代の大ヒット作の続編として昨年劇場公開された作品ですが、トム・クルーズ扮するマーヴェリックと、かつて訓練中に事故死した同僚グースの息子や、ライバルだったアイスマンとの関係の描写が、腐女子の間でBL的に捉えられているらしく、映像で確認したいとのことで、Netflixにアクセスしました。

実際に鑑賞してみると、女友達との絡みもあるものの、主に描かれているのは、厳しい訓練や困難な任務の中で男たちが織り上げる濃密な友情、信頼といったもので、確かに腐女子クラスターにとってはおいしい素材なのかなと感じました。

一方、昔観た『トップガン』では、マーヴェリックと女性教官(ケリー・マクギリス)の熱い恋愛がフィーチャーされていた気がするのですが、主題の変遷があるのは時代の流れなのかな――その辺を確認したいと思い、こちらの方も久し振りに観てみました。その結果――2人の恋愛模様は重要なスパイスであるものの、主に描かれているのはやはり男たちの関係で、今風の視点だとこちらも十分にBLだよね、と感じられました(なお、この映画は実はゲイ・ムービーだとする言説もあるようです)。

いずれにせよ、こんなふうに好きな時に好きなスタイルでさまざまなコンテンツにアクセスできることで、楽しみが増えそうです。ただ、NHKのBS波の削減は残念に思います。各局の中では優良なコンテンツを提供してきていると思われるだけに、寂しい気がするのです。

(主な参照文献、資料等)

  • 「放送・メディア業界を取り巻く市場環境の変化~進む放送と通信の融合とコロナ禍におけるインターネット動画配信サービスの成長」(船津宏輝 InfoComT&SWorldTrend Report 2021年9月号)
  • 「『メディア定点調査2023』時系列分析」(2023年5月 博報堂DYメディアパートナーズ)
  • 「スマートフォンやテレビからみるメディア利用行動の今~『メディア利用の生活時間長2021』から~」(平田明裕/伊藤文/船越雅 放送研究と調査2022年7月号)
  • 「テレビ画面でネット動画を視聴する人は『テレビ』をどのように見ているのか~『メディア利用の生活時間調査2021』から~」(平田明裕 放送研究と調査2023年3月号)
  • 「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」(令和5年6月 総務省情報通信政策研究所)
情報通信総合研究所は、先端ICTに関する豊富な知見と課題解決力を活かし、次世代に求められる価値を協創していきます。

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