劇中で“ボロボロ”にされた本物の「カウンタック」
2台の真っ白なランボルギーニ「カウンタック 25thアニバーサリー」が、2023年11月末と12月初頭、ふたつのオークションに出品されました。実はこの2台、とある映画に登場したワケありの車両だったのです。
【画像】「えっ!…」劇中で大活躍! ボロボロになったランボルギーニ「カウンタック」を写真で見る(16枚)
その映画とは、公開から10年以上が経過した『ウルフ・オブ・ウォールストリート』。実在した証券トレーダー、ジョーダン・ベルフォートの回想録を原作とした作品で、レオナルド・ディカプリオが主演を務めた伝記/コメディ映画です。
一部は脚色されている、とはいえ、実話に基づいた映画であることに善良な市民はただただ驚かされました。ポスターには「仰天、興奮、衝撃!」と勢いあるキャッチコピーが飛び交い、「R18+」指定されたことも話題となりました。
この映画には、1980年代のさまざまなクルマが登場しますが、なかでも観客に衝撃を与えたのは白いカウンタック 25thアニバーサリーでしょう。
映画には2台のカウンタックが用いられ、1台はきれいな状態での撮影用、もう1台は劇中でボロボロの状態となるものです。
特に後者は「レプリカでもよかったのでは?」と思ってしまうのは、凡人の思考回路なのでしょうか……。
『ウルフ・オブ・ウォールストリート』におけるカウンタックのハイライトといえば、ディカプリオ演じる主人公が薬物の影響下で運転するシーンでしょう。
ディカプリオがナメクジのような動きでかろうじてカウンタック25thアニバーサリーに乗り込み、「神様、もう薬物はやらないので、どうか安全に家まで帰らせてください」と祈って帰路に着くシーンは、R18+指定の映画としては笑えました。
どうにか自宅にたどり着いたとき、カウンタック 25thアニバーサリーは無傷だった……と薬物の影響下にあった主人公は思い込んでいました。ところが数時間後、警察が自宅に現れ、器物損壊(当て逃げ)で逮捕されてしまいます。
自宅を出た主人公は、ボロボロになったカウンタック 25thアニバーサリーを目の当たりにします。映画ではどのようにしてキズがついたかを回想するシーンが流れましたが、これまた実にコミカルに仕上がっていました。
なお実際のベルフォートは、カウンタック 25thアニバーサリーではなく、メルセデス・ベンツ「SL」で事故を起こしたそうです。
●入札に参加した富裕層は意外に堅実だった?
白いエクステリアカラーに白いインテリアを組み合わせたカウンタック 25thアニバーサリーは、アメリカに12台しか正規輸入されなかったそうです。
まず、2023年11月末にオークションハウスのボナムズに登場したのは、ボロボロになった劇中車。
面白いのは、ボナムズが「ボロボロの劇中登場時間3分以上、無事故車の登場はたったの16秒」と強調し、前者こそが“真の劇中車”と暗に示唆していることです。
なお、落札者には4着しかない、カントリークラブでのシーンでディカプリオが着ていた衣装(靴もセット)、監督が撮影時に座っていたイス、ディカプリオとロビーのサイン入りクラップボード(いわゆるカチンコ)、撮影クルー専用のパーカー2着、そして2枚のDVDがついてくるそうです。
落札価格は150万~200万ドル(約2億2097万円~2億9462万円)が見込まれていましたが、入札は135万ドル(約1億9889万円)で停滞。結果的にオークションは不成立となりました。
一方、“16秒しか登場しなかった”きれいな状態のカウンタック 25thアニバーサリーはRMサザビーズのオークションに出品され、こちらも落札予想価格は150万~200万ドルが見込まれていました。
実際のベルフォートのように破天荒に稼ぎ、映画『ウルフ・オブ・ウォールストリート』を愛してやまない富裕層が破天荒に入札するかと思いきや、意外と“堅実”に165万ドル(約2億4306万円)で落札されました。
ちなみに無キズなカウンタック 25thアニバーサリーはリアウイングがなかっただけでなく、ヨーロッパ仕様の車両ゆえフロントバンパーの形状が異なっていたそうです。撮影時はボコボコなものから一時的に“移植”していたといいます。
劇中車のオークション、しかも、名作に登場した車両というだけでも熱いのに、RMサザビーズとボナムズの“調達能力”の対決も興味深いオークションでした。
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