まるで宝石…!
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)が撮影した、環状星雲(別名リング星雲)の画像が公開されました。
同望遠鏡の主要な観測機器2つが、その構造をかつてないほど詳細に捉えています。
極彩色に輝いてる!
1779年に発見されたという環状星雲の中には2万個のグロビュール(水素分子の塊)が存在しており、極彩色に輝く天体の画像には高温のガスに満ちた内側の領域も写っています。
近赤外線カメラ(NIRCam)と中赤外線測装置(MIRI)で撮影することによって、この惑星状星雲の構造と組成の異なる一面が明らかに。
NIRCam画像は内輪のフィラメント構造を浮き彫りにし、MIRI画像は星雲の外側の同心円状の特徴の細部を写し出しています。
ちなみに今回の環状星雲(NGC 6720)と、JWSTが昨年撮影した南のリング星雲(NGC 3132)とは別の天体なのでご注意を。
地球からの距離約2500光年
欧州宇宙機関(ESA)が出したリリースは、この星雲の形がドーナツ型に近く、星雲中心の空洞部分にはガスと塵がラグビーボールの形をして入り込んでいると説明しています。
星雲とは、宇宙空間に存在するガスと塵の雲。NASAによると、星が一生を終える際に形成された星雲もあれば、新たな星が生まれる領域の星雲もあるとのこと。
環状星雲は地球から約2500光年離れています。メインの環(リング)は、星雲の中心にある死にゆく星から周囲へと放出されているガスでできています。この中心星はやがて白色矮星になるでしょう。
太陽も50億年ほど経って寿命を迎えたら星雲を形成し、白色矮星になるとされていますね。
モノクロの画像に専門家が着色
メインの環の外側には、10個の同心円状の弧があります。前述のリリースによれば、星雲中心の一生を終える星と低質量の伴星との相互作用から生成されたものなんだそう。
天文学者たちはこの星雲を研究することで、同星雲を形成した星についての詳細を明らかにできるとか。
2枚の画像は同じ天体を捉えているにもかかわらず、色使いが違うことは奇妙に思えるかもしれません。しかしJWSTは人間の目には見えない、赤外線で天体を観測しています。
データが豊富なRAW画像は元々モノクロで、画像の着色を担う専門家が赤外線データを可視光線へと変換しているのです。
この記事の画像も、それぞれの画像で星雲のある面を際立たせる着色が施されています。
最も遠い宇宙の光景から太陽系にある惑星の環まで幅広く観測するJWSTのおかげで、天文学者らは宇宙についての全く新しい視点を得ています。
そして一般市民も、宇宙のあらゆる天体の美麗写真という形で恩恵を受けているのです。
Source: ESA Webb Telescope, NASA,
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科学&テクノロジー
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