うちのカーチャンは遊んでいた
1988年(昭和63年)8月12日は、ファミリーコンピュータ用ソフト『ファミコンウォーズ』が発売された日。本日で『ファミコンウォーズ』シリーズが誕生してから35周年を迎えたことになる。
『ファミコンウォーズ』は、任天堂から発売された戦略シミュレーションゲーム。『ファミコンウォーズ』シリーズの記念すべき1作目で、現在日本では新作が発売されていないものの長く名作として語り継がれるタイトルとなっている。
硬派で取っつきにくいイメージのある“戦略シミュレーション”を、システムを遊びやすくすることで子どもから大人まで幅広い層に浸透させて同ジャンルの盛り上げに大きく貢献したと言っても過言ではないだろう。
実際、当時子どもだった筆者は本作のおかげで戦略シミュレーションの魅力や奥深さを知ることができた。『ファミコンウォーズ』がなければ、PCエンジンの『ネクタリス』やメガドライブの『アドバンスド大戦略 〜ドイツ電撃作戦〜』などで遊ぶことはなかったに違いない。
プレイヤーはレッドスター軍かブルームーン軍の指揮官となり、歩兵や戦車、戦闘機などの部隊を率いて自軍を勝利に導くのが目的となっている。通常であれば登場する兵器は、実在する名称やそれに近いものにするのが定番だしカッコよく感じるものなのだが、本作ではあえてわかりやすいシンプルな名称にしてある。
実際の表記はカタカナではあるが、歩兵や戦闘工兵、爆撃機とのみ表示されて一目瞭然だ。同じ兵種で複数あるものにいたっては戦車A、戦車B、戦闘機A、戦闘機Bなどと表記されていたのだから驚いてしまう。もしかするとROMの容量なども関係していたのかもしれないが、結果としてわかりやすくて子どもだった筆者には大助かりだった。
『ファミコンウォーズ』を語るうえで絶対に外せないのは、超有名で当時大人気だったテレビコマーシャルの話。「ファミコンウォーズが出~るぞ! こいつはどえらいシミュレーション!」から始まり、「カーチャンたちには内緒だぞ!」へと続くセリフはかなり印象的なフレーズで、35年経過したいまでも忘れることができない。筆者を含めた当時の子どもたちは体育の時間の準備運動などでけっこう真似をしていた記憶がある。
映画『フルメタル・ジャケット』の訓練シーンのパロディーになっていた映像のインパクトも相当なもの。アメリカの兵隊さんが駆けながら教官の掛け声を復唱するだけで、ゲーム画面はいっさいなし。最後に申し訳程度に「ファミコンウォーズ」とロゴが表示されるだけだったのも画期的だったんじゃないかな。おかげで歌のフレーズが頭に刻み込まれてしまったというわけだ。ゲームの発売後は「出~るぞ!」が「出~たぞ!」に変更されていたのも芸が細かい。
1991年5月21日には、ゲームボーイで『ゲームボーイウォーズ』が発売。システムは一部変更されているが、『ファミコンウォーズ』の系譜に連なる作品で間違いないだろう。この作品の発売によってシリーズ化。以降もゲームボーイで続編を出した後、スーパーファミコンやゲームボーイアドバンス、ニンテンドーDSなどでも新作を発売していく。また、ニンテンドーゲームキューブやWiiでは、3Dアクション風味の毛色の異なる作品が『突撃!! ファミコンウォーズ』シリーズというタイトルで発売されている。
いま、初代『ファミコンウォーズ』で遊びたいならNintendo Switch Onlineに加入するのが手っ取り早い。加入者特典として遊べるファミコン配信タイトルの中に本作があるので、そちらでプレイするといいだろう。
ついでに言うと、残念ながら日本では未発売タイトルになっているが、欧米では『ゲームボーイウォーズアドバンス1+2』のNintendo Switch用リメイク作品が2023年4月21日に発売になっている。いつか日本でも遊べるとうれしいのだが……。
からの記事と詳細 ( 『ファミコンウォーズ』が発売35周年。幅広い層が楽しめたシンプルな戦略シミュレーション。真似する人が続出したテレビCMがあまりにも有名【今日は何の日?】 - ファミ通.com )
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