大賞:ソニー「α7R V」
カメラグランプリ2023で大賞に輝いたのは、ソニーのフルサイズミラーレス「α7R V」。ソニーの大島正昭さんは「α7R Vは、特に3つのこだわりを持って開発した。4点マルチアングル液晶、AIプロセッシングユニット、被写体認識AFの3つだ。4点マルチアングル液晶をαに搭載する構想は数年前からあったが、αのコンパクトで薄いボディーを崩さないよう仕上げるのに本当に苦労した。堅ろう性も確保し、満足できる仕上がりになった」と語りました。
同じくソニーの水上暁史さんは「AIプロセッシングユニットを搭載して、人が持つ創造性を最大限引き出したい、カメラの性能を究極まで引き出したい、と常々考えていました。AIプロセッシングユニットを搭載できたからといって、解像感や色までよくなるわけではなく、そのあたりは何度もフィールドテストを続けて納得のいく仕上がりにしました」と語ります。
レンズ賞:OMデジタルソリューションズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO」
レンズ賞に輝いたのが、OMデジタルソリューションズの望遠マクロレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO」。OMデジタルソリューションズの弓削一憲さんは「このレンズで提供したかった価値は、高倍率のマクロ撮影が手軽に楽しめることと、1日持ち歩いても疲れない機動性の高さです。手軽さでは、無限遠から至近まで全域でAFが使えることや、強力なレンズ内手ブレ補正機構の搭載がポイントです。機動性の高さでは、以前から望遠マクロレンズを望む声が多く寄せられていたので、手持ちで使えるサイズに仕上げることを目標としました。技術的な課題は多かったものの、多くの方にご評価いただけてうれしいです」と語りました。
あなたが選ぶベストカメラ賞:パナソニック「LUMIX S5II」
ユーザー投票によって選ばれるあなたが選ぶベストカメラ賞に輝いたのが、パナソニックのフルサイズミラーレス「LUMIX S5II」です。パナソニックの津村敏行さんは「写真も映像も思いのままに操れ、クリエイターに寄り添えるカメラを目指した。特に、今回はペンタ部に放熱機構を内蔵することが大きなチャレンジだった。ペンタ部に内蔵するアイデアは若い技術者が出してくれ、試作を重ねてここまで目立たなくできた。LUMIX初の像面位相差AFは、競合に負けない性能を出すべく2年以上頑張ってきた。これらが多くの人に評価され、技術者としては報われた思いだ」と語ります。
開発リーダーを務めたパナソニックの中村光崇さんは「従来のLUMIX S5よりも画質やAF、手ブレ補正を改良しつつ、課題だった熱問題に対応したのがS5II。ペンタ部に放熱ファンを入れ込むのは、とてもチャレンジングな開発だった。当初はあまりに大きくなって“ちょんまげ”など酷評を受け、LUMIX S5シリーズはデザインも重要な要素なのでもうあきらめようか…と断念しかけたこともあった。だが、さまざまなシミュレーションを繰り返し、デザインもマイクへの影響もクリアできた。S5IIは動画ユーザーだけに受け入れられればいいわけでなく、写真ユーザーにも支持される1台でなければならない。その目標はクリアできたと感じる」と語ります。
カメラ記者クラブ賞:キヤノン「EOS R50」
記者クラブ賞に輝いたのが、キヤノンのAPS-Cミラーレスの入門機「EOS R50」。キヤノンの塚谷栄理さんは「愛着を持って使ってもらえるカメラがコンセプトだが、小型軽量にしつつ上位モデルと変わらない基本性能に仕上げようと決めた。EOS R50は、特にグリップの形状にもこだわった。たとえエントリーモデルでも、EOS Rシリーズを名乗るならばしっかり握れないとだめ。厳しいことで有名な社内の製品評価部門にモックを持ち込んで何度もダメ出しを受けたが、最終品は「よく握れるようになった」と評価してもらったのがいい思い出。Kissの名は付けなかったが、Kissのように多くの人に愛されるカメラになってほしい」と語ります。
カメラ記者クラブ賞:ライカカメラ「ライカ M6」
異色の受賞となったのが、ライカカメラのフィルムカメラ「ライカ M6」。ライカカメラジャパンの米山和久さんは「ほかの受賞製品とは違ってAFもAIも何も入っていない40年前のカメラが改めて評価されたのはうれしい。きわめてローテクのカメラではあるが、多くの人に長く愛用してもらいたい」と語ります。
カメラ記者クラブ賞:プログレードデジタル「CFexpress Type B GOLD 512GB」
メモリーカードの受賞となった、プログレードデジタルの高速CFexpress Type Bカード「CFexpress Type B GOLD 512GB」。プログレードデジタルの大木和彦さんは「メモリーカードもカメラグランプリの対象になるんだ!とうれしく感じた。連写がいつまでも止まらない、動画がいつまでも撮れる、と購入者から驚きの声をもらっている。ユーザーの声に応えるのが企業のモットーなので、こんなメモリーカードが欲しいといった要望はぜひ寄せてほしい」と語ります。
カメラ記者クラブ賞:DxO「DxO PureRAW」
ソフトウエアの受賞となったのが、DxOの「DxO PureRAW」。DxOの佐藤さんは「まだ広く認知されている存在だとは思わないが、本国のフランスでは新しいソフトウエアの開発を進めているので、注目してほしい」と語ります。
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