独創的な機構がシーズンごとに話題を呼ぶスイスの独立系高級時計ブランド・CYRUS(サイラス)より、超絶技巧を駆使した最新作「Klepcys DICE Lime Carbon」(価格未定)が発表されました。
2021年発表の機械式クロノグラフ「Klepcys DICE」をベースに、新たに夜光機能を備えたカーボンベゼルを採用。トレンドを感じさせるライムグリーンのファブリックストラップモデルと、コレクション初のブレスレットモデルのふたつのバリエーションで、各50本の数量限定モデルとして発売を予定しています。
「The Conquest of Innovation(革新の獲得)」をビジョンに、スイス・ジュネーブにて2010年に高級時計メゾンとして設立されたCYRUS。同ビジョンの実現のために、同年、IWCの研究開発部門などで活躍してきた天才時計師ジャン-フランソワ・モジョン氏をディレクターに、同氏が率いるマニュファクチュール“クロノード”を傘下に迎え、技巧を駆使した先進的な時計づくりを続けています。
例えばレトログラード日付表示とリニアタイム表示において特許を取得した「Klepcys Moon」や、トゥールビヨンを90度回転させて縦方向に配置した「Klepcys Vertical Tourbillon」など、革新的な作風と圧倒的な技術力は、ちょっとほかには見当たらないもの。驚きのアイデアがコアな時計ファンの心を刺激し続ける、今注目のメゾンのひとつです。
今回ご紹介するのは、3月に開催された時計見本市・Watches and Wondersにおいて発表された最新作。ベースになっている「Klepcys DICE」は2021年夏に発表されたもので、“DICE(Double Independent Chronograph Evolution)”の名の通り、独立したダブルクロノグラフを搭載したコンプリケーションウォッチです。
互いに完全に独立したふたつのストップウォッチ機能をひとつのムーブメントに搭載するのは、もちろん世界で初めて。着眼点もさることながら、その発想を実際に形にしてしまう技術力にも驚くばかりです。
りゅうずは、スタート/ストップやリセットを行うプッシャーの機能を兼ね備えたもの。クロノグラフとしての利便性を考えて、ふたつのりゅうずが左右シンメトリカルな位置におかれています。
針や数字はツートンカラーを使い分けて判読性を確保するなど、実用性を考え抜いた点も見事。今回のモデルでは、トレンド感のあるライムグリーンとイエローを採用し、重厚なルックスにモダンで爽やかな印象を添えています。
ケースサイズは直径42mmで、厚さ16.5mmとかなりボリュームがありますが、2枚のメインプレートに443個もの部品を備えたダブルクロノグラフキャリバー CYR718 を搭載していることを思えば納得。特徴的なクッション型ケースは人間工学を考えての設計。また、素材に軽く耐久性に優れたグレード5 チタンを用いることで、手元の重量感を軽減させています。
ベゼルには、これも抜群の軽さを備えたカーボンファイバーを使用。幾重にも重ねたカーボンとファイバーが生み出すマーブル状の模様は、一点ものの愛着を生み出します。
もうひとつ特筆すべき点として、ブレスレットモデルの登場が挙げられます。従来「Klepcys DICE」では、過去発表の限定モデルも含めてコーデュラストラップが用いられていましたが、今回のモデルではコレクションとして初めてチタン製ブレスレットを採用。光沢仕上げの六角形センターリンクを備えた一体型ブレスレットの登場が、コレクションに新風を吹き込んでいます。
さらに今回の限定モデルではベゼルに使用したカーボンファイバーに夜光素材を封入。暗闇でのみ放たれる神秘的な光を愛でるのも、オーナーだけが味わえる楽しみになりそうです。
>> CYRUS
<文/&GP>
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