こちらは、国立天文台と朝日新聞がハワイのマウナケア山で運用している「星空ライブカメラ」が現地時間2023年1月18日に捉えた夜空です。満点の星空を背景に、青白い輝きを放つ渦巻模様が画像の中央左上に写っています。まるで渦巻銀河のようですが、それにしては星々と比べて明るく、また見かけのサイズも大きすぎるように思えます。
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星空ライブカメラは国立天文台ハワイ観測所の「すばる望遠鏡」のドーム外部に取り付けられている高感度カメラで、2021年4月からライブ配信が行われています(試験配信期間を含む)。次の動画では2023年1月18日未明のライブ配信の映像が抜粋されていますが、渦巻模様は現地時間4時40分~45分頃にかけての短時間だけ出現したことがわかります。
【▲ 星空ライブカメラが2023年1月18日4時20分~5時10分頃(ハワイ標準時)に捉えた映像の解説動画(英語)】
(Credit: 国立天文台, 朝日新聞)
この不思議な模様、国立天文台によると、スペースXの「ファルコン9」ロケットの打ち上げに関連した現象ではないかとみられています。スペースXは2023年1月18日に第3世代GPS衛星を搭載したファルコン9を米国フロリダ州のケープカナベラル宇宙軍基地から打ち上げています。打ち上げ日時は日本時間で1月18日21時24分、ハワイ標準時では同日2時24分ですから、打ち上げから2時間20分ほど後に渦巻模様が出現したことになります。
関連:スペースX、6機目の第3世代GPS衛星を打ち上げ(2023年1月19日)
実は、ファルコン9の打ち上げに関連しているとみられる渦巻模様が撮影されたのは今回が初めてではありません。最近では星空ライブカメラが2022年4月にも渦巻模様を捉えている他に、2022年6月にはニュージーランドでも同様の模様が撮影されています。
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ファルコン9は2段式のロケットで、第1段の多くは着陸後に再使用されていますが、第2段は可能な限り打ち上げ後に大気圏へ再突入させて処分されています。渦巻模様は再突入前の第2段から余った推進剤が放出された際に生じたとみられており、Spaceweather.comによると、渦を巻いているのは第2段機体が姿勢を安定させるため長軸を中心に回転していたことが理由ではないかと考えられています。
ファルコン9を高頻度で打ち上げているスペースXは、2022年に61回の打ち上げを実施しました。2021年の打ち上げ回数は31回でしたから、昨年の打ち上げ回数は一昨年と比べてほぼ2倍に増えたことになります。打ち上げ回数が増えたことで、今後はこのような現象が目撃されることもめずらしくはなくなるかもしれません。
Source
文/sorae編集部
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科学&テクノロジー
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