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Monday, November 7, 2022

【ハンズオンレビュー】Lenovo ThinkStation P360 Ultra - Ubergizmo JAPAN

tosokpopo.blogspot.com

取り回しの良い小型ワークステーションを求めるプロフェッショナルやエンジニア向けの非常に柔軟な構成を備えた優れたソリューション

良い点 悪い点 価格
性能/重量の比率が優秀 モバイル向けGPUとRAM 203,203円〜
あらゆる予算に合わせられる柔軟な構成 一部に独自パーツが使用
非常に高い可搬性

Lenovo ThinkStation P360 Ultra」は、大型ワークステーションラップトップの携帯性とデスクトップレベルのパフォーマンスを兼ね備えた非常にコンパクトなワークステーションです。ターゲットは、データを収集または作成する現場で働く専門家や、大型のモニターを使う可能性はあるが、コンピューターを持って移動する必要があるモバイルスタジオで作業を行うプロです。

スペック
今回レビューに使用した機体は、次のような仕様になっています。
CPU:第12世代Intel Core-i9-12900(高性能コアx8、高効率コアx8)
GPU:NVIDIA RTX A2000
SDD:1TB M.2 2280 PCIe Gen 4 x4
RAM:32GB SO-DIMM DDR5-4000

Lenovoは多くのオプションを用意しており、CPUは第12世代Intel Core-i3まで、GPUはNVIDIA RTX A5000 Mobileまでラインナップされています。したがって、全ての人にそれぞれ適した構成が組め、最小構成は約19万円からとなります。

ワークステーションなので、RAMが最大128GB(ECCの有無に関わらずアクセスが容易)、SO-DIMMスロットは取り外しがかなり簡単です。ストレージに関しては、M.2 SSDドライブ(最大2x4TB、RAID 0または1が可能)と1台の2.5インチSATAドライブ(1TB)を備えており、合計3台のストレージデバイスを取り付けることが出来ます。

カードを追加する場合に備えて、拡張用のPICeスロットが2つ(PCIe 4.0 x16とPCIe 3.0 x4)搭載されています。

製品デザイン


ThinkStation P360 Ultraのコンパクトな性質と、”重量あたり”または”体積あたり”のパフォーマンスがここでの主な魅力となっています。バックパックや小さなペリカンケースに簡単に収まるため、このコンピューターを持って旅行や出張に行くようなユーザーが理想的な顧客です。

このコンピューターは、ほとんどのデスクトップが受けることの無いMIL-STD-810H規格の軍事輸送テストに10個も合格しています。組み立て後の輸送時の衝撃に耐えられるようには設計されていないため、これまで、CPUヒートシンク等の重いデスクトップ用パーツが輸送中に破損するという状況を経験してきました。

とは言っても、アップグレード性が高く、より多くのディスプレイを駆動出来るため、きちんとしたオフィスを構築するために、このコンピューターを強力なラップトップの代わりに使用するユーザーも多くなりそうです。

ThinkStation P360 Ultraは、同様の機能やスピードを備えたワークステーションラップトップ(ThinkPad P15)よりも、お手頃な価格となる可能性があります。ラップトップを据え置きのワークステーションとして使用する場合、これは説得力のあるメリットとなりそうです。

超コンパクトなデスクトップコンピューターとして、P360 Ultraは冷却に関して特定のラップトップよりも大きな利点を備えています。そのため、TDPが125WのIntel Core i9-12900のような強力な部品を使用することが可能です。

ただ、比較対象となるラップトップと同様に、DDR5のRAMやGPUチップ等、多くのモバイル向けパーツを使用しています。スモールフォームファクタPCはかなり大きいため、既製のGPUと部品を使用出来ますが、このコンピューターの場合は必ずしもそうとは限りません。

メインシャーシから外側のパネルを解除するよく出来たレバーのおかげで、工具を使わずにコンピューターを開いて内部にアクセスすることが出来ます。公式動画の中で、その詳細をご覧下さい。

ポート類


デスクトップコンピューターの重要な利点の1つはポート類の多さであり、ThinkStation P360 Ultraはその点でも期待を裏切りません。唯一の不満は、HDMIポートが非搭載な点です。


前面には、次のようなポートを搭載しています。

1xUSB 3.2 Gen.2 (Type-A)
2xUSB 3.2 Gen.2/Thunderbolt 4(Type-C)
1xオーディオジャック

背面ポートは以下のようになっています。

4xUSB 3.2 Gen.2 (Type-A)
3xDisplayPort(内蔵GPU)
4xmini-DisplayPort(専用GPU)
1×2.5Gb イーサネット
1x1Gb イーサネット

また、無線LANカードにも対応しており、コンピューターの背面にねじ込むアンテナが用意されています。本体にアンテナが内蔵されていれば良かったのですが、問題ありません。有線オプションは、ネット性能を最大限に引き出したい場合や、遅延を減らす場合に利用することになりそうです。

大型電源ユニット


ThinkStation P360 Ultraが、電源ユニット内蔵の中型タワーPCに比べて非常にコンパクトである理由の1つは、電源ユニットが外付けであることだと言っても過言ではありません。300Wの電源ユニットは、かなり大きく重量があります。そのサイズは、高性能なゲーミングラップトップ用の電源アダプタに似ているため見慣れたもので、どこにでも持ち運ぶ必要があります。

とは言え、パックパックに簡単に収まるため、このフォームファクターが他のデスクトップワークステーションの設計よりも持ち運びに適していることに疑いの余地はありません。例えば、高性能ゲーミングラップトップ「MSI GE76 Raider 12U」はP360 Ultraよりも全体の体積が約25%小さいですが、重量は61%重くなっています。

ラップトップにはディスプレイとバッテリーが内蔵されているため、同じもの同士の比較ではありません。それでも、ThinkStation P360 Ultraは、現場でモニターを利用出来る人のモバイル用途向けに構築されています。

また、同コンピューターの重量は、選択した構成や拡張パーツによって変化する点にはご注意下さい。

パフォーマンス


性能/サイズもしくは性能/重量の比率が強力なセールスポイントであるため、いくつかの主要なベンチマークを実行して、このコンピューターがどこに位置付けられているのかを確認しましょう。

CPUには第12世代Intel Core i9-12900を選択しましたが(最上位はi9-12900K)、GPUはモバイル向けのRTX A2000で最上位オプション(RTX A5000)からは程遠い性能です。それによって価格/速度の比率が変化してくる可能性があるため、そのことは覚えておいて下さい。よりお手頃な、NVIDIA T400のGPUオプションも用意されています。

参考までに、RTX A2000のグラフィックス性能はRTX 3050と3060の間に位置しており、RTX A5000はRTX 3080とほぼ同等の性能となっています。Lenovoが、ThinkStation P360 Ultraに採用しているのはモバイル向けGPUなので、上記のGPUもそれぞれモバイル向けのものを指しています。

CPUの観点から、今回のレビュー機はCinebench R23やGeekbench 5等のベンチマークで非常に良い結果を出しています。MSI GE76 Raider 12Uとの比較は、同コンピューターで見られるように、i9-12900をi9-12900Kにアップグレードした場合に期待される数値を示しています。

同時に、ThinkStation P360 Ultraの”重量あたり”のCPU性能は、ディスプレイとバッテリーが無いコンパクトなデザインのおかげでラップトップよりもさらに優れています。大量のCPUパワーを、バックパックや機内持ち込み手荷物で持ち運べる可能性があります。

GPUに依存するグラフィックスアプリケーションの場合、PCMark 10 Creativeベンチマークは興味深いものです。CPUとGPUそれぞれに作業負荷がかかっている可能性がありますが、ほとんどがCPUです。

純粋な3D性能については、RTX A2000 MobileのパフォーマンスがRTX 3060(Concept D5)よりも低く、RTX 3080(MSI GE76)よりも大幅に遅いことがわかります。それと同時に、現在の画像処理及びビデオアプリケーションで最新のAIワークロードを実行する機能等、同世代のGPUに見られる機能を全て備えています。

ThinkStationは、専用GPU上の4つのmini-DPと3つのフルサイズDP、統合GPUに内蔵されたUSB-Cポートを介して最大8台のモニターを駆動出来ます。また、ラップトップとは異なり、個別のグラフィックスユニットと統合グラフィックスユニットの間にパススルーが無い点も重要です。したがって、プライマリディスプレイをmini-DP経由で専用GPUに接続することを計画する必要があります。

ThinkStation P360 UltraのSSDパフォーマンスは優れており、他のワークステーションやクリエイティブ志向のコンピューターと同等です。ハイエンドラップトップとの主な違いは、2台のM.2ドライブと1台の2.5インチドライブに最大9TBのストレージを搭載出来ることです。

まとめ


Lenovo ThinkStation P360 Ultraは、モバイル性の高いワークステーションを必要とする専門家やエンジニア向けに、非常に柔軟な構成を備えた優れたソリューションを提供します。裕福な一般ユーザー向けの市場も存在する可能性がありますが、これは法人向け製品とみなされます。

本体のデスクトップ的な性質により、かなりの熱冷却と、同等のポータブルラップトップよりも多くの拡張オプションを備えています。このコンピューターの設計は、競合する小型ワークステーション「HP Z2 G9」や「Dell Precision」よりも魅力的で、ほぼ常にパフォーマンスとコスト効率に優れています。

このワークステーションに採用されているNVIDIA RTX AシリーズやTシリーズ等のグラフィックスユニットには、一部のワークフローに必須のISV認定ソフトウェアも付属しています。

企業は、一般的なユーザーが見落としがちな通常のLenovoのセキュリティ機能と管理ツールを高く評価するでしょう。プレミアサポート、アクシデントダメージプロテクション(ADP)、保証延長等は、IT部門を左右する可能性のある要素です。

この記事は、編集部が日本向けに翻訳・編集したものです。

原文はこちら

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