前回の記事「LANケーブルの自作はこうやる!ケーブルをぶった切ってちょうど良い長さに調節しよう」では、LANケーブルの作成方法などを紹介した。今回はLANコネクタで一番お悩みの多い「ツメの折れ」、「フラットケーブルの工事」、「LANローゼットやコンセントの工事」に加えて、「ケーブル敷設工事のノウハウ」を紹介していこう。
なお、ここでは前回に引き続きサンワサプライのLANケーブル自作キットを使用している。
稀に使われるクロスケーブルを作る
現在ほとんど使われなくなったが、極稀にPC2台のLANを直結してバックアップをするツールなどで使われるのが、「クロスLANケーブル」と呼ばれるもの。
30年も昔には「ハブをカスケードにつなぐ場合(ただしカスケード接続コネクタ以外接続する場合)はクロスケーブルを使う」なんて仕様もあったが、すぐにハブが自動的にカスケード接続かどうかを判断するようになり、今はストレートケーブルでつなげられるようになった。
クロスケーブルはPCショップなどでも未だに売られているので、細々と需要があるようだ。ここでも解説しておこう。
低ノイズにこだわったLANケーブルを作るには
低ノイズにこだわる場合は、LANケーブルの外側をアルミでシールドしているケーブルを使うといい。ただこういったケーブルは往々にして硬く引き回しが面倒なので注意。家の中をハブから10m程度引き回す程度なら普通のケーブルで十分。
またシールドされたケーブルを使うなら、コネクタもシールドされているタイプを使うといいだろう。配線方法はこれまで説明した通りだが、最後にLANケーブルのシールド線をコネクタのシールドに触れるように結線すればいい。
LANケーブルノイズ混入しやすい場所は、コネクタ付近のヨリ線をほぐした箇所。この箇所が長いとノイズ混入しやすくなるので、できるだけヨリ線から端子までを短くするのも手だ。
カテゴリ6を使うべきか? カテゴリ5eを使うべきか?
一般家庭にも普及している1GbpsのLANは、カテゴリ5eとカテゴリ6が対応している。単純に考えるとカテゴリ6の方が良さそうに思えるが、実はどちらを使ってもほとんど変わりはない。
各カテゴリの簡単なスペックをまとめたものが以下の表だ。
カテゴリ | 対応速度 | 伝送帯域 | 最大距離 |
---|---|---|---|
5 | 100Mbps | 100MHz | 100m |
5e | 1Gbps | 100MHz | 100m(カテゴリ5の特性改善で1Gbpsに対応) |
6 | 1Gbps | 250MHz | 100m(10Gbps LANで使うと55m) |
6a | 10Gbps | 500MHz | 100m |
実はカテゴリ6は10Gbps LANに向けてのブリッジ(つなぎ)的な意味があり、1Gbpsで使った場合は5eに比べるとノイズ対策の効いたオーバースペック気味な規格と言える。ただカテゴリ6を10Gbps LANで使うと、最大距離55mという制限を受ける規格なのだ。
Gigabit Ethernetでカテゴリ6を使った方がいいのは、電子機器がたくさんあるノイジーな環境。カテゴリ6ではノイズ対策が施されているので、大きなオフィスでGigabit Ethernetを敷設するならカテゴリ6がベターとなる。一般家庭のGigabit Ethernetなら、リーズナブルなカテゴリ5eで十分だ。
まとめ - これで君もLAN敷設工事士だ
前後編に渡ってお届けしてきたLAN工事の決定版。いかがだっただろうか? LAN工事やケーブル敷設で何か分からないことがあれば、ぜひこのページを参照してほしい。
なお、ここでは工事用のツールで入手しやすいサンワサプライの製品を使ったが、ネットや秋葉原に行くと激安品に出会うこともある。土日アキバを散策しているときに、ジャンク箱を除いてみると面白いかもしれない。
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