カリブ海にあるフランス領グアドループ諸島のマングローブ林で、糸状の巨大細菌が発見された。単細胞で成長すると長さは平均約1センチ、最大で2センチになり、これまで見つかった細菌で最大。仏アンティーユ大や米ローレンス・バークリー国立研究所などの研究チームが顕微鏡による詳細な観察や全遺伝情報(ゲノム)解析で新種に分類し、24日付の米科学誌サイエンスに発表した。
細菌のほとんどは大腸菌などのように肉眼で見えない。しかし、アフリカ南部ナミビア沖で発見され、1999年に論文が発表された「チオマルガリータ(属)・ナミビエンシス(種)」は直径が最大0.75ミリで、これまで最大とされてきた。新発見の細菌は同属で、種名は大きいという意味のラテン語から暫定的に「マグニフィカ」と名付けられた。海水に漬かるマングローブの根付近に生息し、硫黄を酸化してエネルギーを得ている。
DNAのサイズは大きく、コピーも多数あり、遺伝子数は大腸菌の3倍近い。細菌は原核生物であり、動植物などの真核生物のようにDNAを収納する細胞核を持たないが、この巨大細菌はDNAが入った小さい器官が細胞の内側に多数分布し、それぞれの場所でたんぱく質を合成することで巨大な細胞を形成、維持していることが分かった。研究チームは「細菌の概念を覆す」と指摘している。
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