プロの道具をふだん使いする愉悦。
ヘッドホンにはモニター用とリスニング用があるのはご存じでしょうか?
コレの違いがなにかと申しますと、モニターヘッドホンは「音を聴き取る」ために作られたもので、リスニング用のヘッドホンは「音楽を聴く」ためのものなんですね。
後者はリスナーに、どんな楽曲であっても心地いい音楽体験をしてもらうためにしっかりと味付けします。ドゥンドゥンと低音マシマシにしたり、満天の星空のようにド派手な高音に仕立てたり、シェフのワザが冴え渡る領域です。
対して前者のモニターヘッドホンは、音楽を構成する1音1音をしっかりと聴かせることにエンジニアの熱意が注がれたもの。ボーカルはどこか、ベースは、ドラムは…と、音のいる位置すなわち「定位」や、それぞれの鳴りが見極められる高い解像性能が特徴。そして原音に忠実です。特定の領域をキャッチーに色付けせず「何も足さない、何も引かない」と言わんばかりにストレートに鳴らします。つまり素材の良さを判断するためのものとも言えます。
使用するドライバー、それを収めるハウジング、使われるケーブルやハンダなどによって変化してしまう個所の音響特性を鑑みた上でフラットな音となるようにチューニングされている。派手ではないけど極めて高度な作りとなっているあたりに、モノづくりの凄みを感じます。
オーディオテクニカが誇るモニターヘッドホンの名機がATH-M50x
モニターヘッドホンの世界で、大ヒット作となったのがオーディオテクニカのMシリーズです。2007年に生まれたATH-M50をリニューアルしたATH-M50x(2014年発売)はレディー・ガガ、ビリー・アイリッシュ、アリアナ・グランデといった世界中のアーティストやレコーディングエンジニアに愛され、2020年には累計販売台数が100万台を突破したとのこと。それだけATH-M50xの精度の高さが評価されたということじゃないですか。
弟分のATH-M20xに待望のBluetoothタイプが登場
そんなATH-M50xにはATH-M20xという弟分がいます。エントリーモデルながら上位機種の系譜をしっかり受け継いだお買い得なモニターヘッドホンなんですが…
そのATH-M20xに、ワイヤレスモデル「ATH-M20xBT」が登場したんですよ! きました。これは、素材の良さが味わえるプロの道具をふだん使いするのにピッタリなヘッドホンです。
なんといってもBluetoothのオーバーヘッドタイプでありながら、予想市場価格が9,900円とリーズナブルさがうれしい。プロの道具というと高価なイメージがありますが、ATH-M20xBTはだれでも手を伸ばしやすい価格帯に収まっています。
上位モデルの系譜を受け継ぎ、素材の良さがよく分かる
ATH-M20xBTはスペックだって侮れません。5Hzから鳴らせる低域再生能力、といってもボワボワした膨張している低音とは違い、ドラムやベースのアタックを感じ取れるシャープなもの。ボリュームを上げなくてもリッチなトーンが聴こえてくるので、耳にも優しい。
なにより、ATH-M50xや、そのワイヤレス版であるATH-M50xBT2とは価格帯が大きく異なるものの、聴き比べてみると「原音に忠実であるべき」というATH-M50xの系譜を受け継いでいるのが分かるんですよね。うん、素材の良さがよく分かる。
Bluetooth接続ですから、ヘッドホン端子を持たないスマートフォン用にもバッチリです。バッテリーライフも60時間と長くて頼もしい。
加えて、低遅延モードが備わっているのも実に素晴らしい。オンラインライブを見るとき、そして映画やアニメを見るときに使ってもリップシンクで音が聴こえてきますから。
「とはいえ、低遅延モードでも遅れはあるよね?」
確かに、それはそう。遅れがシビアに感じられるリズムゲームをやってみると分かりますが、自分の感じたスイートスポットは外しがち。だからATH-M20xBTには有線接続用のコードも付属しています。
この、1.2mと長めのコードでつなげれば、遅れがシビアに感じられるリズムゲームだけじゃなく、コンマ何秒のズレも気持ち悪い楽器の練習やDJのモニタリングも快適に行えます。
ヘッドバンドとイヤーパッドも質がいいんですよねぇ。フィット感が柔らか&サラサラなのに、ずれにくい。そしてふだん使いにおいて重要なポイントとなるのが軽さですが、ATH-M20xBTの質量は約216g。これは有線モデルのオーバーイヤー型ヘッドホンを含めても最軽量クラスといっていい。だから持ち運びもラクラクだし、長時間使っても疲れにくい。
なのでオンライン会議にも適しています。マイクも内蔵していますんで!
使えば使うほどふだん使いに適していることが分かる
エントリーモデルでありながら、音質や装着性などプロが求めるクオリティをしっかりと満たしているATH-M20xBTですが、使えば使うほどふだん使いにも適しているのが分かります。
ペアリングやボリュームの調整は左耳のハウジングに付いているボタンでできるし、10分充電で3時間使える急速充電に対応しているし、2台のデバイスと同時接続できるマルチポイント機能も備えている。遮音性も高くてノイキャンがなくても満足できる。マイク内蔵でSiriやGoogleアシスタントの呼び出しだってオッケー。これが本当に市場予想価格9900円? 最高すぎるじゃないですか。
Photo: 照沼健太
Source: オーディオテクニカ
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