生まれつき関節が動かしにくい難病を患いながらも、それをバネに営業マンとして活躍する福岡市の男性の姿を追いました。
「お電話ありがとうございます、エー・ワイ・エスです」
丁寧な口調で電話対応をしているのは、山崎海斗さん(22)。
福岡県古賀市にある、オフィス機器などを取り扱う会社の営業マンです。
イスから立ち上がると、その身長は140センチ足らず、背骨も大きく曲がっています。
◆山崎海斗さん
「人っていろんな関節、手首足首、膝・肘とあるが、その関節が硬くなってしまい伸ばすことが難しい病気」
実は山崎さん、生まれつき関節を動かしにくい難病を患っている上、背骨が曲がる病気も発症。
一般的には自力で歩くことが難しく、車椅子での生活を余儀なくされているケースがほとんどだといいます。
◆山崎海斗さん
「昔はものすごく時間がかかってました、引っかかったりするんでうまくきれいに入れないといけないですからね」
関節が固いため、ジャケットを羽織るのも一苦労ですが、10回以上の手術とその後の辛いリハビリにも耐え、社会人生活を送っています。
そんな山崎さんの名刺には「日本一小さい営業マン」の文字がー
◆山崎海斗さん
「日本一小さい営業マンとしてお客様の所に行くことで、すごく覚えてもらいやすいというのは僕の強み」
この日、商品の点検で訪れたのは福岡市内のクリニックです。
◆山崎海斗さん
「僕が初めて販売させてもらったAEDです」
販売したクリニックの担当者も、山崎さんに全幅の信頼を寄せています。
◆たかもとホームクリニック 貞金俊介さん
「営業に来た時たどたどしさが新鮮で、思いの部分はとても伝わりました、伝わってないと院長も、さあ買おうとはならなかった。名刺に載せてるんです、日本一小さなって。コンプレックスは誰にでもあると思うので、それを逆に武器にした彼はかっこいいなと思う」
◆山崎海斗さん
「うれしい…」
とはいえ、営業先への訪問や重い荷物を持つこともある営業マン生活は、決して楽なものではありません。
どうして営業マンを志したのかー
そこには、同じく営業マンとして活躍した父親の存在がありました。
◆父 山崎寿久さん
「障害者として(営業の世界に)入り込んで成功するかと言えば、難しいとしか思っていなかった。本人は『営業マンになる』と軽く言ってくるから」
◆山崎海斗さん
「昔はすごく反対された。おまえには無理だと言われたが、無理と言われると逆に燃えちゃうタイプなのでやってやろうって思った」
元々、人と会話するのが好きだったという山崎さん。
高校卒業後、就職し、電話で食品などを売り込む業務を約1年半経験しました。
営業マンとして自信がついた山崎さん、電話営業ではなく自ら出向いて営業したいと一念発起。
2020年、採用試験を受けたのは、憧れの父親が経営する会社でした。
入社から4か月、その頑張りは先輩営業マンからも認められています。
◆先輩
「彼が一生懸命やっているから、それで話を聞いているんだよと(客から)評価の声を頂いたり、(今後が)すごく楽しみ」
「すごい話が好きなので、バンバンしゃべって客とも仲良くなっているみたいなので、これを強みにして頑張ってくれたらなと」
営業マンとしての目標、父・寿久さんはー
◆父 山崎寿久さん
「困ったときにはパッと、山崎海斗、日本一小さい営業マンと思い浮かんでもらえるような営業マンになって欲しいと思う」
Qなれそうですか?
◆山崎海斗さん
「頑張ります、まずは父を超えること」
父を超えるという目標をもつ山崎さん、実はもう一つ目標があります。
それは…
山崎さんが打ち込んでいるのは「パラバドミントン」。
全日本選手権で1勝することを目標にしています。
3年前始めたばかりの頃は、ラケットが抜けてしまう程の握力だったそうですが、今ではスマッシュも決められるようになりました。
◆山崎海斗さん
「営業もバドミントンもどっちも好きなことをさせてもらっているので、頑張りがいがあること。障害があってもやってみようかなって思ってもらえる人が1人でも増えたら、僕はうれしい」
見た目は小さくても、立ちはだかる大きな壁に負けず、挑戦することをやめない山崎さん。
そのまなざしは、常に新しい目標に向けられています。
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