最初はコロナ禍における「カメラメーカーの苦境」です。キヤノンの赤字は驚きました。日本における製造業の超優等生、キヤノンが第2四半期に初の赤字を計上しました。カメラ収益の悪化が原因の一つです。そもそもスマホに押されてカメラ需要は減っていましたが、非常事態宣言による買い控えが、さらに追い討ちをかけました。またリモートワークが増え、オフィス機器の売り上げも大きく影響したようです。現在はミラーレスの新機種が好調な売り上げになっており、株価も押し上げているようです。がんばれキヤノン!
そして、オリンパスが日本産業パートナーズ株式会社に映像事業を譲渡しました。以前からカメラの売り上げが厳しい話は聞いていましたが、創業の礎であるカメラ製造を手放すとは夢にも思いませんでした。カメラ正面に輝く「OLYMPUS」のエンブレムも将来は使えなくなりそうです。今後はプロやハイアマチュアに特化した商品展開をする予定です。そのメッセージどおり、超望遠ズームレンズ(ED150-400mm IS PRO 今月下旬販売、希望小売価格100万円)を発表しました。今後は高級機種メーカーとして再生を目指しています。応援しています!
二つ目は超個人的ですが、憧れのカメラ「ライカ モノクローム」購入です。中古ですが、今のデジタルカメラでは使われなくなったCCDのイメージセンサーを採用、フィルムのような階調を出しています。そして、端(はな)から白黒しか撮れない潔さ! カラーで撮ってパソコン作業で白黒に…。そんな「安全保険」を捨てたカメラがあることは素晴らしいことです。デジタルなのに白黒フィルムで撮影した銀塩時代を彷彿(ほうふつ)とさせました。
三つ目は超最近の経験から。「瞳認識の凄さ」です。前回、ソニーα9が銅像の目にも瞳認識すると紹介しましたよね。先日、もっと難しい条件に挑戦しました。被写体の女性にカメラに向かって小走りしてもらったり、顔を左右に大きく振ったりしてもらいました。期待通りレンズに近い方の目にビンビン合焦! 人物撮影はピント合わせが要らなくなったことを実感した瞬間でした。自動車で言うところの自動運転の領域じゃないでしょうか?
その次は「遅まきのドローンデビュー」。もう珍しくもなんともないドローンですが、やっと経験しました。500万画素の小型ドローン、DJIのテローです。自分をはるか上から見下ろす写真が簡単に撮れるのです。無風状態、周囲の環境など条件はありますが「お手軽、上から目線専用カメラ」として、車のトランクに入れっぱなしにしています。
最後は「山陽新聞夕刊の休刊」です。小生は編集局写真部カメラマンから異動し、記者になった最初の部署が夕刊編集部でした。夕刊は一面に大きな写真企画記事が掲載できました。写真を縦絵4段、5段抜きでドーン!と掲載。本文は30行くらいで、まさに写真が主役でした。それを企画から撮影、本文まで全部携わることができました。小生の書いた夕刊写真記事が朝刊の「滴一滴」に紹介されたこともあり、記者冥利(みょうり)に尽きる経験もしました。カメラマンとして写真だけでなく、取材や文章力の深みを与えてくれたのが山陽新聞夕刊でした。昨年師走に135年の歴史を静かに閉じました。
さあ、丑(うし)年の始まりです。過去の丑年はケネディが大統領就任、旧ソ連のガガーリンが人類初の宇宙飛行に成功しています(いずれも1961年)。日本では前回の丑年(2009年)に政権交代があるなど、大きな変革がある年なのかもしれません。希望が持てるような変革を期待したいところです。
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蜂谷秀人(はちや ひでと)フリーランスカメラマン。ファジアーノ岡山オフィシャルカメラマン、日本写真家協会会員。1985年、日本大学芸術学部写真学科卒業後、山陽新聞社入社。編集局写真部を皮切りに夕刊編集部、家庭レジャー部記者を経て1995年に独立。1962年岡山市生まれ。
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