宇宙航空研究開発機構（ＪＡＸＡ）の探査機「はやぶさ２」の帰還を受け６日、都内で帰還記念ミニトークショーが開催され、宇宙科学ロマン・ドキュメント映画「劇場版ＨＡＹＡＢＵＳＡ２～ＲＥＢＯＲＮ」で監督を務めた上坂浩光氏（６０）が登壇した。
ＪＡＸＡ相模原キャンパスでのパブリックビューイングで帰還を見守った上坂氏は「カプセルは鮮やかな血の色を放って還ってきてます。涙がでそうになります。感慨深い」と率直な感想を述べた。
「劇場版ＨＡＹＡＢＵＳＡ２～ＲＥＢＯＲＮ」は１１月２７日より公開している「はやぶさ２」の帰還までを描いた全編３ＤＣＧ映画。「はやぶさ２」が事業仕分けにより、経験した存続危機についても触れ、「そんな国じゃ子どもたちがかわいそうですよね。宇宙探査について国を動かすのは皆さんの声や気持ちなんです。ＪＡＸＡじゃないんです」と熱く思いを話した。
「はやぶさ２」が地球に持ち帰ったものはカプセルだけではない。「はやぶさミッションは理学的工学的な成果もたくさんあげましたけど、頑張る姿を見せてくじけそうな人を応援したと思います。そっちのほうがもしかしたら大きな成果かもしれない」。
「はやぶさ２」の旅は続く。残る燃料で１００億キロ先の小惑星「１９９８ＫＹ２６」へと１１年かけて向かう。帰還は予定されていない。上坂氏は「今回で『はやぶさ２』とは、もうサヨナラなんですけど、悲しまないでください。新しい探査機がそれを引き継いで宇宙に飛び立とうとしています」と呼びかけ、「微力ではありますが今後も宇宙探査についての作品をつくって共有していけたらうれしい」と未来を描いた。
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