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Monday, May 4, 2020

薬と健康食品の併用 かかりつけの医師にまず相談を - SankeiBiz

 ■肝機能障害、代謝異常…死亡例も

 医薬品と健康食品を併用すると思わぬ体調不良、健康被害が生じるケースがあることが、医師らの報告で分かってきた。肝機能障害など深刻な被害もあり、健康を守りたい気持ちで利用したのに、本末転倒になりかねない。専門家は、健康食品の必要性や安全性についてかかりつけの医師に必ず相談し、それでも利用するなら何をどのように取ったかを記録しておくことを強く勧めている。

 国立健康・栄養研究所は2018年、それまでに健康食品との併用でリスクが高いことが知られていた医薬品について論文データベースを検索し、健康食品との併用で健康被害があったとの64本の論文を抽出、分析した結果を発表した。

 体調不良、健康被害が明らかになったのは71例。約6割に当たる42例で、論文執筆者が医薬品と健康食品の相互作用が原因だと判断していた。

 年齢別では40~70代の被害が多かった。約9割に当たる64例では具体的な症状とともに医薬品の血液中濃度の推移に変動があった。34例は薬の副作用の重さを示す3段階で最も重いグレード3で、死亡も5例あった。

 症状で最も多かったのは、劇症肝炎を含む「肝機能障害」。肝臓は薬物を代謝する重要な役割を持っている。ほかに、てんかんや統合失調症の治療が難しくなったり悪化したりした例、血糖や血中のカリウム、カルシウムなどの代謝異常、電解質異常があったと報告されていた。

 医薬品の内訳は、脳梗塞、心筋梗塞、末梢動脈血栓症などの予防のため血液が凝固するのを防ぐ薬が18例。抗がん剤が13例、免疫抑制剤、不整脈の薬などが12例で続いた。抗てんかん薬では10例がグレード3だった。

 ただ、健康食品のどの成分が影響したかが分からなかったケースも多く、どの組み合わせが悪いとは一概に言えない。

 分析に当たった梅垣敬三昭和女子大教授(食品安全学)は、医薬品と健康食品の組み合わせの良しあしを断定できないのは、健康食品の成分が特定できないからだという。

 「医薬品は成分や含有量、製造工程に至るまで厳格に定められている。健康食品は原料名が同じでも、製品ごとにどの成分がどのぐらい入っているか、不純物がどれだけ混入しているかが違う」

 梅垣さんによると、医薬品も健康食品も体への影響は一人一人で大きく異なる。医薬品なら医師が病状の変化を見極めて最適な処方を探るが、健康食品は消費者本人の自己判断に委ねられる。

 梅垣さんは「健康食品は健康な人向けで、病気の人の摂取を前提にしていない食品です」とくぎを刺した。

 特に注意が必要なのは、錠剤やカプセルの形になった製品だという。普通の食品なら、同じ物を何日も食べ続けることはない。しかしこうした薬のような形状の健康食品は、漫然と取り続ける人が多数だ。

 国内外の報告では、健康食品の利用を医師に伝えていない人が70~80%。入院患者の約30%が入院後も健康食品を利用していたとの研究報告もあり、医師と患者の間で、認識がかけ離れていることが示されている。

 梅垣さんは「必要性や安全性について心配なら薬を処方したかかりつけの医師や薬剤師に相談することだ」と話す。複数の医療機関にかかっていても、行きつけの薬局があれば薬剤師は服薬状態をすべて把握できる。

 どの製品をいつ、どれだけ口にしたかを記録することも大事。お薬手帳に書き込んでもいい。製品の箱を取っておくと、健康被害が発生した際、記録とともに持参すれば原因が早く分かる可能性があるという。

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