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Monday, May 18, 2020

健康志向で注目度増す機能性食品 特許で有望銘柄探す - 日本経済新聞

写真はイメージ=PIXTA

写真はイメージ=PIXTA

「企業が保有する特許の経済価値の総和と時価総額(株価)には相関がある」という仮説に基づき、技術力に比べて株価が安い「技術割安株」を、工藤一郎国際特許事務の力を借りて探してみた。

◇  ◇  ◇

今回は「機能性食品」関連銘柄に注目していく。機能性食品とは、体の調子を整える様々な成分を含む食品のこと(法律上「特定保健用食品」「栄養機能食品」「機能性表示食品」などの用語があるが、これらを幅広く含む食品を指す)。

機能性食品は、消費者の健康志向の高まりに沿って、その市場規模を拡大している。今回は関連銘柄の中でも「YK値」に対して株価が割安となっている上位4銘柄を紹介する。

YK値とは、閲覧申請や異議申し立てなど、ライバル企業がその特許に干渉するためにかけたコストから算出した値だ。競合企業からの干渉が多いほど特許の価値が高いとみなし、保有特許価値に比べて時価総額が割安と評価される銘柄をピックアップしている(詳細は下図参照)。

第1位日本食品化工。食品材料であるコーンスターチ(トウモロコシ由来のでんぷん)を中心に事業展開する会社。近年では、便秘改善や食後の血糖値上昇を抑える難消化性グルカン(トウモロコシ由来の食物繊維)を開発。その他にも様々な性質を持つ糖質を研究しており、低カロリー、低血糖の食品ブームの流れに沿っている。

第2位東洋精糖は、様々なタイプの砂糖や食品材料などを製造する。カロリーを抑えた甘味料やアンチエイジング化粧品などに使われる抗酸化剤などに強みがある。国内の砂糖消費量が減少する中、健康食品向けなどの分野で業績を伸ばしており、今後が期待できる。

第3位太陽化学は、乳化剤(水分と油分を混ざりやすくするための添加剤で、アイスクリームやチョコレートなどに使われる)を中心に様々な食品材料を提供。研究開発を重視した企業であり、約4人に1人が研究開発職に携わっている。数々の技術賞も受けており成長のポテンシャルが高いと考えられる。

第4位焼津水産化学工業は、天然素材から調味料や健康食品素材を製造する会社。海洋系の素材の取り扱いを得意とし、マグロやカツオ、甲殻類、海藻などから様々な有効成分を抽出している。未知の部分が多い海洋資源には大きな可能性が残されており、注目できる企業だ。

高齢化の流れの中で、日本人の食に対する健康へのこだわりは、今後ますます強くなっていく。ともすると食品業界は低価格競争に陥りがちだが、今回取り上げた銘柄は、健康食品の分野で高い技術力を有しており、食品の高付加価値化への道を切り開いている会社と言えるだろう。要注目だ。

技術力(特許価値)で割安株を探す方法

「企業が保有する特許の経済価値の総和と時価総額(株価)には相関がある」という仮説に基づき割安株を探す。特許の経済価値は工藤一郎国際特許事務所が開発したYK値を用いる。YK値は、特許出願に対するライバル社からの成立阻止アクションにかかるコストから算出する。
独自に選んだテーマごとに各社のYK値と時価総額を上図のような軸を持つグラフにマッピングすると、妥当と思われる近似曲線が浮かび上がる。この近似曲線から左に大きく離れている企業(図ではA社)は、特許価値、つまり技術力比で時価総額が低い(割安)と考えられる。

工藤一郎国際特許事務所によると、A社の位置は2年ほどかけて近似曲線に近づいていく傾向がある。これは、特許技術が製品化されて収益に寄与。時価総額が膨らむためと考えられる。この連載では、業種ごとの近似曲線から、左への乖離が大きいほど、株価が割安な銘柄として扱う。

工藤一郎(くどう・いちろう)
弁理士。工藤一郎国際特許事務所所長。大阪大学工学部卒。NECで磁気ヘッド開発に従事した後、知的財産部などで特許実務に携わる。2000年4月に工藤一郎国際特許事務所設立。特許の経済的価値の数値化や、特許価値の比較を容易にする技術業種分類などを開発。

[日経マネー2020年3月号の記事を再構成]

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