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Monday, April 6, 2020

全国の50歳~79歳の男女1,236人に聞いた「シニアの健康寿命と栄養摂取に関する意識調査」:時事ドットコム - 時事通信

[株式会社ディーエイチシー]

“隠れフレイル予備軍”!?「タンパク質」の重要性は認知も、必要量が摂取できているのは約1/3。「普段の食事で十分に栄養が取れている」「意識的にタンパク質を摂っている」という方でも半数以下に。

株式会社ディーエイチシー(所在地:東京都港区、代表取締役社長:高橋芳枝、以下:DHC)では、このたび、50~70代の男女1,236名を対象とした「シニアの健康寿命と栄養摂取に関する意識調査」を実施しました。

株式会社ディーエイチシー(所在地:東京都港区、代表取締役社長:高橋芳枝、以下:DHC)では、このたび、50~70代の男女1,236名を対象とした「シニアの健康寿命と栄養摂取に関する意識調査」を実施しました。

<調査背景>
近年、社会の高齢化に伴い、「健康寿命の延伸」への関心が高まっています。「健康寿命延伸」には、適度な運動とあわせた適切な栄養素の摂取が重要ですが、意識していてもなかなか難しく、「フレイル※1」や「サルコペニア※2」と呼ばれる症状に陥ってしまう方も少なくありません。そこで今回、シニア世代の「健康寿命延伸」への意識や、正しい栄養摂取に関する認知などについて明らかにすべく、調査を実施しました。主な調査結果は以下の通りです。
※1「フレイル」:加齢とともに心身の活力(運動機能や認知機能等)が低下すること。健康な状態と日常生活でサポートが必要な要介護状態の中間を意味する。
※2「サルコペニア」:加齢や疾患により、筋肉量が減少し、握力や下肢筋・体幹筋など全身の筋力低下が起こること。

=調査結果トピックス=
■シニアは、自身の“栄養摂取”に自信あり!?
・「普段から運動を行っているので健康には自信がある」と考えている方が45.6%。
・「普段の食事で十分に栄養が取れている」と考えている方が65.8%と過半数を超える結果に。
■必要な“タンパク質量”の摂取、意識と実態に大きなズレ。“隠れフレイル予備軍”の危険性も!?
・タンパク質の“重要な栄養素”としての認知は85.2%、意識的に摂取している方が48.8%。
・「1日に必要なタンパク質」が摂取できているという方が34.5%。
― 「運動を行っているので健康には自信がある」という方で、「必要量が摂取できている」のは51.1%。
―「普段の食事で十分に栄養が取れている」という方で、「必要量が摂取できている」のは47%。
―「意識的にタンパク質を摂っている」という方で、「必要量が摂取できている」のは44.9%。
■“健康寿命”には高い認知・関心も、「フレイル」「サルコぺニア」の認知は、まだまだ低い状況。
・用語としての認知はそれぞれ「健康寿命」92.5%、「フレイル」23.5%、「サルコペニア」34.1%。
2020年から導入される「(75歳以上対象の)フレイル健診」の認知は10.3%。
・「健康寿命の延伸について困っていること」がある方が56.6%、「継続して取り組むことが難しい(29.8%)」「何をすればよいかわからない(20.6%)」などが上位に。

東京大学秋下雅弘教授からのコメント抜粋―『健康寿命難民』にならないために
健康寿命の延伸のために重要なのは、「運動」と「正しい栄養補給」、特に筋肉をつくる「タンパク質」が重要な役割を担っています。調査でも、85%以上の人がタンパク質の重要性を認知しているのは社会全体として良いことだと言えますが、一方で「1日に必要なタンパク質量」が摂取できている方が1/3ということで、気づかない間に栄養不足に陥ってしまう可能性のある“隠れフレイル予備軍”の存在が明らかになったと言えます。誤った知識に基づき間違った対策をしてしまい、かえって健康を損なってしまう『健康寿命難民』にならないためにも、自身の健康を過信せず、正しい知識を身に着け、「運動」と「正しい栄養補給」を行っていただくことが重要です。

■調査の概要
調査方法:インターネットによる調査
調査対象:全国の50歳~79歳の男女 1236名(50代・60代・70代の男女:各206名)
調査実施期間:2020年02月07日(金) ~ 2020年02月08日(土)
調査委託先:株式会社マクロミル

「シニアの健康寿命に関する意識調査」結果サマリー
【健康と運動について】
1-1.興味関心のあるテーマについて

シニア世代の興味関心のあるテーマについて尋ねたところ、「健康」が最大の興味関心のあるテーマとなり、実に7割を超える方が関心を持っていることが分かりました。「運動/筋トレ」も3分の1以上の人が興味を持つ、関心項目の上位グループにつける結果となりました。「健康」「運動/筋トレ」ともに、世代が上になるほど興味関心が高くなる傾向が見られました。

1-2.普段行っている運動について
普段から運動を行っている方が、65.3%と高い割合となり、特に70代は男性8割、女性7割以上がなんらか運動をしていると回答しました。内容は「ウォーキング/散歩」がトップで、半数近いシニア世代の方が実施していることがわかりました。実施頻度を見てみると、実施内容トップの「ウォーキング/散歩」について、「週4回以上」実施している方の割合が、4割と最も高く、日常的に続けやすいことが、実施の有無に繋がっている様子でした。

1-3.運動をしている方の「健康への自信」について
日常的に何らか運動をされている方を対象(n=807)に、「普段から運動を行っているので健康には自信がある」と考えているかを尋ねたところ、「そう思う」「ややそう思う」あわせ45.6%となり、普段運動している方の健康への自信は、およそ半々に割れる結果となりました。特に男女ともに、70代がもっとも自信を持っていることが分かりました。

【栄養の摂取について】
2-1.「普段の食事で十分に栄養が取れている」かどうかについて
「普段の食事で十分に栄養が取れている」と思うかどうかについて尋ねたところ、「そう思う」「ややそう思う」あわせ、65.8%となり、「あまりそう思わない」「そう思わない」を上回る結果となりました。男女ともに、年代が上がるほど「栄養がとれている」と考えていることがわかり、特に男性の方が、どの世代でも「栄養がとれている」と考えていることがわかる結果となりました。

2-2.「健康維持のために重要な栄養素」について
健康維持の為に重要だと思う栄養素を上げてもらったところ、「ビタミン」と「タンパク質」が8割を超える2大栄養素となりました。また、「意識的に摂取している栄養素」も同様に、「ビタミン」と「タンパク質」が高い結果となり、「タンパク質」を意識的に摂取しているという方が48.8%に上る結果となるなど、タンパク質の重要性は、多くのシニアが理解している様子でした。


2-3.「1日に必要なタンパク質量」について
下記の「1日に必要なタンパク質量」を明記した上(表1)でその認知を尋ねたところ、「知っていた」と回答した方は11.7%とかなり低い結果になりました。また、知ったうえで、その必要量を「毎日摂取できているか」を尋ねたところ、「毎日摂取できている」「ほぼ毎日摂取できている」あわせ34.5%にとどまり、「あまり摂取できていない」「全く摂取できていない」の53.8%を下回る結果となりました。


さらに、「「普段から運動を行っているので健康には自信がある」と考えている方(1-3参照、n=368)」「「普段の食事で十分に栄養が取れている」と考えている方(2-1参照、n=813)」「「タンパク質」を意識的に摂取している方(2-2参照、n=603)」が、それぞれ「1日に必要なタンパク質量」が摂取できているかを見てみると、以下の通りとなり、いずれも意識と実態のズレが明らかになりました。
●「運動をしているから健康に自信がある」×「1日に必要なタンパク質量」の摂取状況
⇒「自信がある」層でも、約半数があまり摂取できていない状況。

●「普段の食事で十分に栄養が摂れている」×「1日に必要なタンパク質量」の摂取状況
⇒普段の食事で十分に栄養が摂れていると考えている人でも、実際にタンパク質の必要量が毎日摂取できているのは半数以下。

●「意識的にタンパク質を摂っている」×「1日に必要なタンパク質量」の摂取状況
⇒意識的に「タンパク質」を摂っている人でも、「毎日摂取できている」「ほぼ毎日摂取できている」あわせて半数を切る結果に。

2-4.「カロリー摂取」への意識について
「メタボ(メタボリックシンドローム)」対策として行っていることを尋ねたところ、何らかの対策をしていると回答した方が71.7%という結果に。「バランスよく食事をする(42.6%)」「運動をする(39.1%)」などが上位となりました。「カロリーを抑えるようにしている」と回答した方は、27.6%という結果となりました。

また、「カロリーを摂りすぎている」と感じているかを尋ねたところ、「そう思う」「ややそう思う」あわせ、53.4%と過半数を超える結果に。男女とも若い世代ほど「摂りすぎている」と考える傾向が見られました。また、カロリーを摂りすぎていると思っている方が、必要なタンパク質量を摂取できているかを見てみると、「あまり摂取できていない」「全く摂取できていない」が56.9%となり、「カロリーを気にする一方で、タンパク質量が必要量摂取できていない」という状況が生まれている結果が見られました。


●「カロリーを摂りすぎていると思う」×「1日に必要なタンパク質量」の摂取状況

【「健康寿命」について】
3-1.「健康寿命」の認知度や関心度について
「健康寿命」という言葉の認知・理解度は、「十分理解している」「ある程度理解している」あわせ、63.7%と高い割合となりました。「言葉だけ知っている」も合わせると、9割以上が知っている結果となりました。また、「健康寿命」が自分に関係のあるテーマだと思うかを尋ねたところ、実に85.7%の方が「自分に関係のあるテーマ」として認識しており、特に70代女性は94.2%と非常に高い結果となりました。

3-2.「フレイル」「サルコペニア」「フレイル健診」の認知
「フレイル」の認知度は、「言葉だけ知っている」まで含めて、23.5%とまだまだ低い結果となり、内容について「十分理解」「ある程度理解」に絞ると、全体で10.8%にとどまる結果となりました。「サルコペニア」の認知度は、「言葉だけ知っている」まで含めると34.1%となり、「フレイル」よりも認知が高い結果となり、内容について「十分理解」「ある程度理解」に絞ると、17.7%という結果となりました。また、フレイルを認知している方(「言葉だけ知っている」まで含む)に、2020年度より75歳以上を対象にした新たな健康診断「フレイル健診」が導入されることを知っているかを尋ねたところ、知っている方は10.3%にとどまる結果となりました。

3-3.「健康寿命の延伸」について困っていること
「健康寿命の延伸」について困っていることがあるかを尋ねたところ、56.6%の方が何らか困っていることや不安なことを抱えているという結果に。最も多かったのは、「継続して取り組むことが難しい」で約3割(29.8%)に上りました。また「何をすればよいかわからない」という回答も2割を超える結果(20.6%)に。特に50代女性で「継続して取り組むことが難しい」が37.9%、50代男性で「何をすればよいかわからない」が30.6%と、若い世代の方が不安を持っていることがわかりました。

3-4.「体力の衰え」や「サルコペニアの症状」の自覚について
日常生活の中で、体力や筋力の衰えを感じている項目を尋ねたところ、81.8%の方が何らかの衰えを感じていると回答。シチュエーション別では、「階段を上がるとき」が41.3%でトップとなり、以下、「運動をするとき(33.4%)」「立ったり座ったりするとき(27.6%)」と続くなど、日常の些細な行為の中でも衰えを感じている様子が見られました。「運動をするとき」は男性、「固いフタなどを開ける時」が女性で高い傾向が見られました。また、サルコペニアの各症状について自覚症状の有無を確認したところ、最も自覚症状が見られたのが、「歩くスピード」の項目で、「あてはまる」「ややあてはまる」あわせ約4割(39.3%)に上りました。また「握力」についても3割以上の方(36.1%)の方が、自覚症状を覚えている結果となりました。

東京大学秋下雅弘教授からのコメント:アンケート結果を踏まえて
■「フレイル」「サルコペニア」の認知度は、2020年を機に高まっていくのではないか。
調査によれば、「健康寿命」に対して9割以上の認知があったとのことで、これは、ニュースや企業CM等で「健康寿命」について目にする機会も増えたことが影響しているのかもしれません。しかし一方で、「フレイル」が23.5%、「サルコペニア」も34.1%とかろうじて1/3を超える程度の認知度ということで、シニアの方々は、具体的な対策というよりも、まだ漠然とした「健康寿命」イメージを持たれている状況なのかもしれません。ただ、設問にもあるとおり、2020年度から75歳以上を対象にした「フレイル健診」導入なども進んでいくなど、社会の流れから今後飛躍的に認知度は高まっていくのではないかと思いますし、そのように期待しています。
■「健康寿命難民」にならないために、正しい知識を。
普段の食事で十分に栄養が取れていると感じている人が6割を超えたことは驚きです。特にシニアの方にとって栄養補給への過信は、「フレイル」「サルコペニア」に陥る危険性もあり、注意が必要です。どの栄養素がどのくらい必要なのかを知ってもらい、イメージとのギャップを知っていただくことが大切です。
■「健康寿命延伸」のために、これからすべきこと
調査の結果からもわかるとおり、特にシニアの方が、普段の食事で十分なタンパク質量を摂取するのは簡単なことではありません。3食の中で取り入れられない部分は、間食や、一息入れるときなどに、手軽に効率良く「たんぱく質補給」できる方法を日常の習慣にすることも、「健康寿命を延ばす」一つの手段になるかと思います。運動も、散歩やウォーキングといった有酸素運動だけでなく、筋肉に負荷をかけるスクワットや腕立て伏せのようなレジスタンス運動を組み合わせることがポイントです。日常生活の中に短時間の運動を取り入れた生活習慣を確立しましょう。メタボ対策をしている方が7割超という結果もありましたが、中年期のメタボ対策一辺倒から頭を切り替えて、そろそろフレイル、サルコペニアの対策が必要な時期に差しかかっていると考えてください。

秋下雅弘教授プロフィール
秋下 雅弘(あきした まさひろ)
東京大学 教授
大学院医学系研究科 加齢医学講座 老年病学分野
東京大学高齢社会総合研究機構(兼務)

鳥取県生まれ。1985年東京大学医学部卒業。東京大学助手、米国スタンフォード大学研究員、ハーバード大学研究員、杏林大学高齢医学講師、同助教授、東京大学助教授、准教授などを経て現職。専門は老年医学。日本老年医学会理事長、日本老年薬学会代表理事、日本サルコペニア・フレイル学会理事などを務め、フレイル・サルコペニアの啓発と研究、高齢者の薬物療法適正化に取り組む。

■引用・転載時のクレジット表記のお願い
本リリースの引用・転載は、必ず「DHC調べ」とクレジットを明記していただきますようお願い申し上げます。

                                                 以上

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