福島市で9日に開かれた「県民が健康になるためのシンポジウム2020」。講演後は、福島民友新聞社の五阿弥宏安社長を進行役に鎌田實諏訪中央病院名誉院長、内堀雅雄知事、竹之下誠一福島医大理事長・学長がパネル討論を行った。
【諏訪中央病院名誉院長 鎌田實氏】
◆メタボ対策は世代を超えて
県と福島医大が健康づくりに本気になっている。県民一人一人が変わる良い時期だ。福島の人は温かくて優しい分、持続する力が少し足りないかもしれない。
食生活を変えるには時間がかかる。ヘルスボランティア、保健師、管理栄養士がうまくタッグを組めば、一気に雰囲気を変えられるかもしれない。一つではなく、いろいろな方法を取ることが大事だ。福島は肥満、メタボが多い。子ども、親、祖父母と世代を超えて考え、取り組んでほしい。
筋肉は50歳以降、放っておくと毎年1~2%減る。厚生労働省は1日当たり若者50グラム、高齢者60グラムのタンパク質を取るよう言っているが、欠けている。運動後、30分以内に取るとよい。意識的に実践してほしい。
【福島医大理事長・学長 竹之下誠一氏】
◆専門家としての知識を発信
(高度な医療を担う)特定機能病院としては日本で初めて治療から予防へという宣言をした。最先端の治療に加え、県民の健康に大学を挙げて取り組んでいる。皆さんに専門家としての知識を発信していきたい。
医大自身が県民の健康啓発に関与することが求められている。私たちが担う予防というのは、病気になっても合併症にならないこと。また、早期発見の予防も徹底的にやる。もう一つは啓発活動。県民向けの公開講座や出前講義などを継続して実施している。
これからは、こちらから出ていって、健康な人にも医大の持っている力を出していきたい。気軽に医大に要望してほしい。さまざまな専門家がおり、どんな質問にも答えられると思う。
【知事 内堀雅雄氏】
◆何かをやる、遅いことはない
健康でいたいという願いと福島の現実は違う。健康指標が良くない。それが出発点にある。キーワードは手軽に始めて続けること。頑張り過ぎると続かない。
県が大事にしているのは食、運動、社会参加。食は野菜から食べ始めるベジファーストや減塩。運動ではウオークビズや「立ち会議」がある。多くの人と知り合って社会参加を増やすことも大切。この3本柱の取り組みに力を入れていきたい。
私の健康づくりは毎日体重計に乗ること。二つ目は腹八分。最後はトレーニング。週に3、4回、スクワットや腹筋、背筋、ダンベルなどをしている。何かやるのに遅いということはない。今日の話で出たことを、一つでも二つでも取り組んでいただきたい。
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February 11, 2020 at 02:00PM
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